フィールドで学ぶ「斐伊川百科」で斐伊川流域巡見を実施しました

2012年7月13日

 共通教養科目(総合科目)の「フィールドで学ぶ『斐伊川百科』」(法文学部・上園昌武担当)は、斐伊川とその流域を対象とし、「自然科学」(世話人は汽水域研究センター・瀬戸浩二)「産業とくらし」(生物資源科学部・山下多聞)「歴史と文化」(法文学部・竹永三男)の3コースを設けて専門的講義とフィールドワークによって学びを深める授業科目です。

 この中、「歴史と文化」コースは、「従軍紀念碑が語る近現代の斐伊川流域の村と戦争」(竹永三男)、「出雲のたたら製鉄」(島根県古代文化センター)、「出雲国風土記にみる斐伊川流域の古代」(法文学部・大日方克己)、「発掘調査で明かされた『出雲国風土記』の世界」(法文学部・大橋泰夫)、「築地松でみる斐川平野の自然環境」(法文学部・田坂郁夫)の講義を受講し、そこで得た専門的知見を、ミュージアムの会下和宏准教授と講義担当教員による現地解説で深めるという構成をとっています。今年は、623日(土)に21人の受講生が、出雲市の「日清戦争従軍紀念碑」(愛宕山頂)、「木綿街道」の町並(平田町)、「青木遺跡」(東林木町)、築地松の景観、出雲弥生の森博物館と西谷墳墓群の四隅突出型墳丘墓(大津町)および雲南市吉田町の田部家土蔵群・鉄の歴史博物館と菅谷鑪(たたら)を巡見し、講師の解説を現地で聴きながら、四囲の景観の中で各遺跡・施設等を実地に観察し、考察を深めました。また、今年は晴天に恵まれ、愛宕山頂の平田城跡と西谷3号墓の墳丘にそれぞれ立ち、斐伊川と出雲平野を南北両方から俯瞰することができました。

 受講生は、この日の観察で確認・発見したことがらを遺跡等のスケッチと考察レポートにまとめ、全員のレポートを集成した「フィールドワークレポート集」をもとに発表会に臨みました。発表会では、出雲市在住者でも西谷墳墓群を初めて訪ね、その規模・立地に注目したこと、同じ四隅突出型墳丘墓でも最古級の青木遺跡のそれと新谷のそれとでは規模も形状も異なっていること、菅谷鑪が原料確保とたたら操業の両面から考え抜かれた立地条件にあること等々の、フィールドワークで得た知見をそれぞれ発表していました。

 この授業は、瀬戸准教授の全体講義で始まりましたが、この後、斐伊川流域の自然・産業・歴史の総合的認識を得るための、3コースの受講生代表による発表を全員で聴講する「フィールドワーク成果交流会」を行います。

愛宕山頂「日清戦争従軍紀念碑」1.JPG


菅谷たたらの高殿内で2.JPG
西谷3号墓の墳丘上から出雲平野を見渡す3.JPG 青木遺跡で立地・景観とともに遺跡を観察4.JPG