「学校教育法及び国立大学法人法の一部を改正する法律案」に反対する声明を発表しました

2014年6月5日

島根大学法文学部教授会声明 

「学校教育法及び国立大学法人法の一部を改正する法律案」に反対します 

 政府が今国会に提出した「学校教育法及び国立大学法人法の一部を改正する法律案」(以下「法律案」)が、今まさに審議されています。
 この「法律案」が成立した場合、私たちは教育研究に関する重要事項について審議決定する権利を法的に失い、学長から求めがあった時でなければ意見を述べることが許されないこととなります。すなわち本「法律案」は、学長が大学の教育研究に関し一元的に決定権を有するものとして法律に明文化する一方、教授会の役割を縮小・限定しようとするものです。
 従来、教授会では、教育研究に関係する重要事項について広く審議を行い、その結論は学内で尊重されてきました。その理由は、教授会の審議結果を尊重することが、憲法第23条で保障されている学問の自由を教育研究の場で実現するための具体的方法として、歴史的に形成され、蓄積されてきたものであったからです。
 島根大学法文学部教授会は、学部所属の教員全員、すなわち教育研究に実際に携わっている者で構成された組織であり、大学での教育研究を改善しようと真剣に議論し、進むべき方向を自ら見出してきました。私たちは、研究者としては、自らの良心に拠って自由に研究活動を進め、その成果を社会や学生と共有し、教育者としては、その責任感に基づいてカリキュラムを組み立て学生を育て、幾多の卒業生を社会に送り出してきました。
 私たちが責任を負っているこのような教育研究は、自由と多様性、批判精神が保障されて初めて豊かな実りを得ることができるものです。総合大学である島根大学が教授している学問分野はきわめて幅広く、個々の学問分野は深遠な内容をもっています。また実際の教育現場で起きている事態は多様なものです。一方、一個人の学識と経験の及ぶ範囲はきわめて限られています。それ故、学長個人の見識がいかに優れたものであったとしても、一個人の判断に教育研究の未来のすべてをゆだねるのは非常に危険なことだと言わざるを得ません。
 「島根大学憲章」は、「学問の自由と人権の尊重・社会の信頼にこたえる大学運営」という一条を掲げています。その精神は、教育研究の実践者である教員が、教授会において教育研究や大学のあり方について広く審議でき、その審議結果が尊重される体制のもとで初めて実現できると考えます。

 以上の理由から、本「法律案」に反対します。 

                      2014年6月4日
                                  島根大学法文学部教授会