学部長便り2011年11月号

学部長便り2011年11月号

2012年9月4日

11月号 「橋」と「足跡」

 とても素敵なものを見つけたので皆さんに報告します。

 私の趣味は競歩とランニングです。だいたいは大学近辺でウロウロ練習しているのですが、休日には遠出をして練習することもあります。松江なら佐陀川周辺の田園地帯がお気に入りなのですが、最近は電車に乗って斐川町や出雲市にも行っております。つい先日も出雲遠征に行ってきました。一畑電鉄の川跡(かわと)という周囲に何も無い駅で下車し、ひたすら歩いておりました。出雲市と旧斐川町の間には大きな斐伊川が流れていますが、農道沿いの橋を渡っておりますと、下流にふと妙な橋を発見したのです。それは橋と呼ぶにはあまりに細く低いもので、川のすぐ上に長い板が渡してあるだけのようにも見えます。幅はせいぜい2mぐらい、驚くべき事には欄干がありません。しかし川幅は広いので長さは200mほどあるようなのです。ちらちら見ていると、何とそこを自転車で渡っている人がいるではありませんか。歩きながらも、気になって気になって仕方がなくなり、ついに競歩を断念し探検に行くことにしました。

 近づくにつれ、その橋のナイスな実態が明らかになりました。まずスマートフォンの地図で検索したところ地図上に表記されていません。さらに橋にたどりつくには、斐伊川の土手に昇り、河川敷に降りていかなければならず、橋の入り口は草に覆われていて遠目には全く見えないのです。つまり地元住民の生活の便のための橋では全くないのです。

 草をかき分け橋にたどりつきました。川が眼前にぱっと広がり、そこを一直線に橋がかかっています。コンクリート製ですが、やはり欄干は無く幅は2mあるかないかです。しかし素晴らしい橋です。斐伊川が手の届くぐらいすぐ下をゆったりと流れており、川の真ん中に立っているような爽快な気分になれます。しかも周囲に人は誰もいません。橋の途中で腰をおろして、この橋は酔っぱらって渡ったら怖いなとか、さっきの人はよく自転車で渡っていたなとか、明かりもないので夜に渡ったら最高だろうなとか、いろいろ妄想してひとときを過ごしました。

 下を斐伊川の水がゆっくり流れ、あちこちにきれいな砂の中州ができています。見ると真新しい足跡がたくさん残っています。犬の足跡もあります。橋から飛び降りて散歩しているのでしょうか。よっこらしょとまた橋にはい上がるのでしょうか。謎はつきません。しかし確かに橋を利用している人がいるのです。

 皆さんも相当の覚悟をしたうえで一度行ってみましょう。家に帰って地図を検索したら、ヤフーやグーグルの地図を最大限に拡大した時に細い線条の橋が記載されていることを発見しました。すごい。

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