学部長便り2012年11月号

公開日 2013年01月15日

長距離走者の愉しみ

 

 秋はマラソンの季節です。今まで何年間かひそかに競歩をやっていたのですが、今春からランニングに種目変更し練習してきました。せっかくランニングを始めたのだから、長距離の大会に出てみましょう、というわけで、今年度は「松江玉造ハーフマラソン」「一畑薬師マラソン5km」「なかうみハーフマラソン」と3大会に出場し、見事完走いたしました。実は、10kmの距離を走ったのは高校3年生18歳の時の1回が最後で10km以上は未知の世界、いやそれどころか、それ以来まともに走っていなかったわけです。

 そもそもハーフマラソンに出るためには、20kim程度の距離を練習で走っておく必要があるわけです。しかし、練習時間もかかりますし、練習コースを選ぶのも大変です。試行錯誤の末、大学近くの「はっとり珈琲店」前(がらがら橋)をスタートし、裏道から国道431号線を北上し、本庄農場から本庄地区を抜け、中海を渡る堤防道路の入り口まで走って、そこで折り返して大学まで戻る、というコースを見つけました。距離にしてちょうど21km、比較的歩道も整備されており、アップダウンもわずかです。何より途中大きな信号が2カ所しかないというのが最高です。おそらく都会に住んでいる方は20kmの練習コースを確保するのは難しい、確保しても信号だらけだと想像でき、その点島根はラクラクじゃと実感する次第です。週末は、このコースをひた走ります。とはいえ練習では、「ああ今日は暑くて熱中症になりそうだからここまで」とか「しんどい、今日はやめじゃ」などとすぐ挫折してしまいます。しかし途中終了しても大変です。そこから大学まで延々と徒歩で戻らないといけません。

 9月末の「松江玉造マラソン」が、私にとっての初ハーフマラソンでした。時間制限もあり、完走できるかどうか不安で、前日は悶々として熟睡もできません。しかし、実際に走ってみると、最後の3kmぐらいが地獄だったことを除けば、走っていて楽しいなあと感じましたし、ゴールに入った瞬間の達成感はかなり大きなものがありました。さらに言えば、給水というものが実にありがたいものである事も実感しました。だって疲れた時に、スポーツドリンクが置いてあって好き勝手に飲めるわけですからねえ。

 また、マラソンの大会は、どれも規模が大きくてお祭りのようで、それも楽しいですね。私は鉄道で行きますが、早朝の列車内にランナー達が1人ずつ座ってやや緊張しながら音楽を聴いたりしている。その光景もいいですし、会場でおもむろに着替えて黙々と準備運動を始めたり、じっとうずくまって瞑想している姿も素敵です。集団でわいわい騒いでいるのもほほえましいのですが、やはり1人で参加している人の姿を見るのが楽しいですね。アラン・シリトーというイギリスの作家が「長距離走者の孤独」という小説を書いているのですが、やはり長距離は「孤独」が1番似合います。

 しかしまだハーフマラソン2回しか走っていないのですから知ったかぶりはいけません。次年度はさらに練習を重ね、夢はフルマラソン出場です。3時間台の記録で走りたいなあ。

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