学部長便り2012年12月号

学部長便り2012年12月号

2013年1月15日

島根大学の地下世界

 

 現在図書館の改修工事が進んでいます。新しくなった外観が通りすがりにかいま見えるようになってきました。何だかワクワクします。しかし、そんな時脳裏をかすめるのは、図書館にある地底通路への入り口は、おそらく封印されてしまうのだろうなという思いです。「えっ、何の話か分からない」という方のためにご説明申し上げましょう。

 実は島根大学には地下トンネルが存在するのだという事です。大学のメインストリート、すなわち正門から食堂までの道路の下あたりに、配管などが通っている地下トンネルが掘られています。トンネルというからには人が立って歩ける広さを持っているということです。この話は十年ほど前に施設課の方からうかがいました。その話によれば、地下トンネルへの出入り口がメインストリート沿いのいくつかの建物に開けられているとのことでした。残念ながらトンネルはどこからどこまで掘られていて、総延長は何十メートルなのかは聞きもらしました。

 トンネルに興味を持った私はさっそく一人で聞き取り調査に乗り出しました。法文学部棟にも地下への開口部が存在するというのです。かつて一階にあった心理学実験室に位置します。現在の建物で言うなら、福祉学の教室、あるいはその向かいの法務研究科倉庫ぐらいに相当するでしょうか。部屋を使用されている心理学の先生に地下入り口の話をうかがったところ、確かに床に蓋がしてあるとのこと。ただ、必要がないというよりは、むしろはなはだしく邪魔なので、入り口はカーペットの下に隠されていました。話によれば、床下収納の蓋のようなものらしいです。その後法文棟の改修工事の際、封印され床になってしまったのか、今でも密かに存在するのか定かではありません。そしてもうひとつ私がその存在を確認したのが、図書館1階カウンター奧の事務室の床の入り口です。長らく図書館に勤務されている職員の方から「確かに蓋があります、邪魔です」とうかがいました。

しかしそれも今回の図書館改修工事で無くなってしまうのかもしれません。

 私はトンネルに入ったこともありませんし、開口部の蓋を開けて中を覗いた事もありません。でもランプの付いたヘルメットをかぶって地下トンネルに降りたってみたいと思います。真っ暗なそこは、まさしく別世界です。静寂につつまれているのでしょうか、それとも地上のざわめきがかすかに聞こえてくるのでしょうか。おそらく今後トンネル探検が実現することはないでしょう。ただメインストリートを歩きながら、みんなは知らないだろうが、この下にトンネルがあるのだと想像する楽しみは残されています。この文章を読まれたみなさん、これからメインストリートを歩く折には、時々地下世界に思いを馳せてみてはいかがでしょうか。

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