学部長便り2014年3月号 「さよなら三角」 

学部長便り2014年3月号 「さよなら三角」 

2014年3月3日

 私の好きな「くるり」というバンドの歌に「言葉はさんかく こころは四角」という曲があります。「言葉はさんかくで、こころは四角だな、まあるい涙をそっと拭いてくれ♪」という歌詞なのですが、たぶん知らないでしょうね。それでは、2007年に夏帆と岡田将生が主演した「天然コケッコー」という映画はご存知でしょうか。くらもちふさこの漫画を映画化したもので、ロケ地が島根県浜田市だったから記憶されているのではないでしょうか。山陰線の線路や小さな小学校や浜田高校などが出ていました。監督は山下敦弘。映画としてもなかなかいい作品で、私は3回観ました。そして映画のエンドロールに流れるのが、くるりのこの曲なのです。

 「言葉はさんかく こころは四角」というタイトルは「さよなら三角、また来て四角」という言葉に由来するのでしょうね。子どもの言葉遊び歌で「四角は豆腐、豆腐は白い、白いはウサギ、ウサギは跳ねる、跳ねるはカエル、カエルは青い、青いは柳、柳は揺れる、揺れるは幽霊、幽霊は消える、消えるは電球、電球は光る、光るは親父のはげ頭」と続くようです。面白いもので、子どもの歌には「おやじのハゲ頭」という歌詞が多いようです。私が子ども時代によく歌っていた替え歌にも「光る頭は百万ワット」というのがありました。親父をバカにして楽しんだり、ハゲ頭という言葉そのもので面白がるわけです。ちなみに、私は現在「おやじ」ですが、ハゲ頭ではありません。 

 毎年三月は別れの季節です。特に私はゼミ生が卒業してゆくのが寂しくてならないのです。何か無人島に一人だけ置き去りにされてしまうような感じです。しかし、そういう時でも「さよなら三角」とつぶやくと、何だか寂しさがやわらぐ気がします。「また来て四角」と続くわけですから。ということで、実はこの三月で私はめでたく学部長引退でして、この「学部長だより」も今回が最終号です。四年間の長きにわたり愛読いただき心から感謝もうしあげます。四年前は、誰も読んでいないだろうと思って書き始めました。しかし、初回掲載後すぐに事務の方から「読みましたよ」と言われて驚きました。さらにその後、教員や学生にとどまらず、退職した先生や卒業生などからも「読んでますよ」という連絡をたくさんいただきました。おそらく現在読者で一番多いのは、日本各地に散らばった法文学部卒業生だと思います。ついこの間は、中国で働いている元留学生が読んでいるとメールで知らせてくれました。 

 四年前、連載開始にあたって心がけたのは、「難しいことは書かない」「抽象的な事は書かない」という事でした。それゆえ毎回、個人のブログのように、私が大学や島根で見たものを中心にだらだらと記してまいりました。大学から離れた人々、これから島根大学に入ろうかなという高校生たちに具体的な風景をお届けするためです。まあ、うまくいったかどうかは知りませんがね。では「学部長だより」最後の言葉です。「さよなら三角 また来て四角」。蛇足ですが、私はハゲ頭ではありませんよ。

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