学部長便り2015年11月号 紙犬

公開日 2015年12月24日

 

山が赤くなるときがあります。写真は法文棟の横から見た嵩山(だけざん)です。晩秋の残照が見せるひと時の景色です。夜がすぐに来る季節となりました。


 

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ここのところ、少しブルーな気分になっていました。季節のせいか、仕事のせいか、そんなことはどうでも良いのですが、今回は軽度の憂鬱への対処方についてでも書くことにしましょうか。

 

憂鬱なときに明るい音楽に励まされる人もいれば、淋しげな曲に癒される人もいます。ブルース好きの私は淋しげ派。ブルースならコード3つで弾けるし、落ち込んだ心を気だるく包んでくれるのです。ブルーにはブルーで対処です。


 

そんな私がふと描いてみたのが下の絵。「紙犬」です。紙の犬が優しい眼をして立っています。淋しげな犬ですね。

 

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 こんな絵を描いたら、今度は実際に紙で犬を作ってみたくなりました。ということで、試行錯誤をしながら「紙犬細工」の型紙を作成しました。ブルーな気分の人のために、下に掲載しておきます。この図面を印刷して、ハサミで切り取り、折り目をつければ誰にでも作れます。著作権は放棄しますので、ご自由に。

 

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そしてこちらが完成した紙犬細工の写真。ペラペラで儚げですね。こういうものは、あまり丁寧に作ってはいけません。すぐにゴミとなってしまうぐらいのチャチさで丁度良いのです。

 

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で、この紙犬の二次元と三次元の間ぐらいの存在感、ひと時だけ立ち現れた儚い感じが、味わい深い気がしているのです。憂鬱な気分を、無常感に転換していく仕掛け。本格的な鬱なら病院に行くべきですが、ブルーな気分という程度なら、少し達観して、あるいはかっこをつけて、無常感などとして味わってみるのも良いのでは。

 

ということで、儚さ、諦念、己の小さをシミジミと感じるのもまた人生の味わいですよ、きっと、と紙犬を作りながら思いました。 

 

ついでに、二次元と三次元の間ぐらいの存在感の作品をもうひとつ。こちらは「液体ムヒ」です。絵と言うかなんと言うか判らないけれど、これまた、すぐゴミになってしまう儚いものです。鉛筆と三角定規にも影を描いて宙に浮かせてみました。現実から少しずつ離脱していく感じを味わうという趣向です。ムヒが立っているように描くのは、結構難しいですよ。

 

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とかなんとか、雨交じりの日が続くブルーな季節は、研究室で密かに工作をしたり、隠し持ったサイレント・ギターで下手くそなブルースを弾いたりしながら、人生を味わっております。

 

「そんな暇があればもっと仕事をしろ」という声も聞こえそうですが、学部長も2年目後半ともなれば、くたびれもするのです。ひらにご容赦を。

最近どうも私だけでなく、身の回りにくたびれ気味の人が多い気がして、こんなことを書いてみました。ブルーな気分の皆さん、達観して無常を感じたり、現実から離脱したりして、そいつに対処してみませんか。落ち込み過ぎると辛いですから。

 

もちろん、もう少し深刻な方には、保健管理センターに相談に行くことをお勧めします。優しく相談にのってくださいますよ。

 

それはそうと、嵩山といえば、拳法で有名な少林寺も嵩山少林寺。何か関係があるのでしょうか。どうでもいいけれど。

 

オマケ 紙犬青空バージョン

 

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