学部長便り2018年1・2月号 寒いですね

公開日 2018年02月02日

 寒いですね。松江では1月23日から最低気温0℃未満の日(気象庁の定義では冬日と呼びます)が続いています(1月31日現在)。この間,24日には-4.3℃を記録していますが,東京でも25日に-4.0℃まで下がり,1970年以来48年ぶりの寒さと報道されていました。でも,上には上(下には下?)があるもので,この25日北海道の喜茂別では-31.3℃を観測しています。

 ちなみに,日本の最低気温は1902年1月25日に旭川で観測された-41.0℃とされています。なお,非公式には旭川の北にある美深町で-41.5℃,北西にある幌加内町母子里で-41.2℃などが観測されています。また,日本第2位の寒さ-38.2℃は日本一が観測された翌日,すなわち1902年1月26日に帯広で観測されています(旭川ではこれより低い気温が観測されていますが,各観測点の第1位の記録をランキングする規則から,帯広の記録が第2位とされています)

 この日付から分かるように,1902年1月下旬は日本列島に一級の寒波がやってきていたのですが,その中で起こった悲劇が新田次郎の小説「八甲田山死の彷徨」(1977年に「八甲田山」というタイトルで映画化されています)で知られる山岳遭難事件です。この事件は日露戦争を控えていた陸軍が寒さの中での戦闘を想定して行った雪中行軍の一隊が猛吹雪に見舞われ,約200人の兵士が亡くなったものです。小説や映画の中では準備不足や計画の不備が描かれていて,それも遭難の大きな要因なのでしょうが,日本の最低気温第1位,第2位を記録した大寒波もまた遭難の要因ではないでしょうか。

 寒さついでに世界の記録をみてみると,最も寒い気温は南極のボストーク基地で1983年7月21日(南半球です)に観測された-89.2℃です。ドライアイスの昇華温度(固体から直接気体に変わる温度)が-78.5℃と云うことですが,この気温では空気中の二酸化炭素が凍ってしまうのでしょうか? 松江の最低気温は-8.7℃ですが,旭川や南極に思いをはせると,なんてことはない寒さですね。

 とは言っても,これから本番を迎える受験生の皆さんは寒さ対策を十分にして,万全の体調で受験されるようにしてください。

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