すでに目標のある人はその目標に向かって、まだ目標のない人は様々なことに挑戦して学んでいくことによって、将来の目標を徐々に固めていってください。その際には、なるべく物事を俯瞰的に捉えるように意識してみてください。
　どんな小さなことでも、自分が疑問に思った点についてはその時の感覚を大切にし、物事の本質に迫るよう努めてください。真の努力は、必ず良い結果を伴うと信じています。

　民法の中でも債権総論に位置づけられる債務引受という法制度について、比較法的視点に立った研究をしています。私がこのテーマの研究を始めた頃、債務引受はまだ民法上には規定されていませんでした。もっとも、2017年の改正民法において初めて明文化されたこの法概念それ自体は、20世紀初頭にドイツ法学から継受されたものであり、学説においては古くから認められていました。法は、社会とのつながりの中で常に発展していく学問です。そのため、抽象的な法概念を研究する際にも、実際に解決すべき問題が何であるのかという点を意識することが重要であると考えています。