地域公開シンポジウム「人口減少時代の地域再生」を開催しました

公開日 2018年12月28日

 128日に島根大学にて地域公開シンポジウム「人口減少時代の地域再生」を開催しました。この企画は、島根大学法文学部山陰研究センターと日本地域経済学会とが共催したものです。厳しい冷え込みの上、小雨もぱらつくなかで、地域経済学会関係者70名のほか地域の方や学生など、あわせて200名を超える方々に参加いただきました。
 島根県は「過疎」発祥の地であり、1960年代初頭から「過疎・高齢化」が進む人口減少社会の「最先端」といえます。同時に、人口減少社会に対応した地域づくりの先進事例が全国から注目を集めているのです。本シンポジウムでは実際に取り組まれている地域づくりの事例を中心に、4本の個別報告がありました。
 島根県隠岐郡海士町の町長・大江和彦氏が、「みんなで“しゃばる”(引っ張る)島づくり」と題して、今や全国的に有名になった海士町の地域づくりの取り組みについて、「よそもの」の力を借りながらも町が主導して進める実態をいきいきと報告されました。つづいて、吉田ふるさと村(株)の高岡裕司氏(代表取締役社長)から、「地域密着型第三セクター・吉田ふるさと村の歩み」と題し、地域貢献を目的とした地域づくり会社の取り組み経緯と運営実態を報告いただきました。ローカルジャーナリストの田中輝美さんからは、「「関係人口」と地域再生」と題し、地域外に住まう人々が地域づくりにかかわる事例とその意義を報告いただきました。最後に韓国忠南研究院・忠南ムラづくり支援センター長の具滋仁氏より、日本よりも急速に過疎化が進む韓国における農村地域づくりの事例と歴史的経緯を報告いただきました。
 いずれの報告も現場での模索や格闘に即した大変迫力ある報告で、地域経済学会で集まっていた研究者はもちろん、当日参加した学生や地域住民に対しても大変示唆に富むシンポジウムであったと自負しています。
また、当日はシンポジウム会場内で、スーパー・グローバル・ハイスクール(SGH)事業の一環として、出雲高校の生徒たちによる地域課題に関するポスター発表があり、約30名の生徒による9班のポスターが掲出されました。シンポジウムの合間の休憩時間で行われた高校生によるポスター発表では、生徒たちの熱心な報告に参加者も聞き入り、地域の課題についてともに考える貴重な機会となりました。

 

 

 

 

   

 

 

 

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