キャリアプランニング第4回 開講しました!

公開日 2020年07月01日

  法文学部2回生向け専門科目「キャリアプランニング」第4回をオンデマンド授業形式で開催いたしました。今回は経済政策を専門とする飯野公央先生をお招きして、「日本の雇用システム、何が問題か?~経済構造の変化で変わる雇用環境~」というテーマで講義を行いました。

 講義では、統計資料を見ながら、そこから何が読み取れるのかを考えていく形式で行われました。まず飯野先生は終身雇用制度や年功賃金といった日本的雇用慣行を紹介し、こうした雇用慣行は高度成長期・モノづくり産業中心の時代に形成され、この時代においては労使ともにメリットがあったため維持されてきたことを指摘されました。しかし企業活動のグローバル化・グローバル競争の激化や、情報通信技術の発展に伴うリーディング産業の変化、そして労働に関わる規制の緩和といった構造変化を受け、雇用慣行が変わりつつあることを指摘されています。その結果、非正規雇用の増加や女性や外国人といった多様な人材の確保などが進みつつあることを示されました。

 最後に飯野先生は税制や社会保障の問題にも触れ、雇用・就労をめぐる問題を労働のみの問題として把握するのではなく、これらを取り巻く環境・制度を含め総合的に考える必要があること、その中でみんなが働き、生きていくための社会システムを構築する必要性を指摘されました。

 

【受講生の感想】

・今回の授業で、移り行く社会の中で様々な要因が絡み合って、雇用制度が変化してきたことを知りました。今、会社に求められているのはどんな人材なのかを見極め、社会に必要とされるような力を大学生のうちに養っていく必要があると感じました。

・多様なスキルを持った優秀な人材を確保するために、企業は若年層の賃金が低いような従来の雇用制度ではなく、高い能力にそれ相応の賃金を支払う体制へと変化しています。女性も加えた皆で働いていける環境と社会保障の充実が、世界と競合していくために労働体系の理想として求められているといえると感じました。

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