キャリアプランニング第6回 開講しました!

公開日 2020年09月01日

第6回目の「キャリアプランニング」(法文学部2年生向け専門教育科目)では、「様々な職業を知るII」として、前回に続いて、社会で活躍している卒業生のお話をうかがいました。

今回は2名の卒業生の方にお話をしていただきました。まずは、吾郷法律事務所弁護士の西村信之氏にオンデマンド形式で講義をしていただきました。テレビドラマの影響を受けて弁護士を目指すようになったことや、大学時代に法律の勉強方法を試行錯誤したりサークル活動などに打ち込んだりしていたことをお話いただきました。続いて、普段の弁護士としてのお仕事の内容が、(相談・訴訟・起案・接見・島根県の委員会の仕事など)多岐にわたることをご説明いただきました。現在はコロナウイルスに関する相談(居住、雇用、消費者問題など)が増えているなど、最先端の問題に取り組め、社会福祉士や精神保健福祉士の方とも連携しながら仕事を行えることが、弁護士の魅力であるとのことでした。「基本的人権の擁護を使命とし、法律制度の改善にも関わる」という弁護士の仕事のやりがいに興味をもったり、最後に西村先生から学生に向けて投げかけられた「子曰わく、これを知る者はこれを好む者に如かず。 これを好む者はこれを楽しむ者に如かず」(論語)のメッセージが印象に残ったりした学生が多かったようです。

続いて、島根大学大学院教育学研究科准教授の中村怜詞氏に、教育に関わる仕事の価値についてオンデマンド講義をしていただきました。中村先生は、3年前までいらっしゃった島根県立隠岐島前高校で、「隠岐島前高校魅力化プロジェクト」に取り組んでこられました。同校は、生徒数の減少により存続の危機にありましたが、地域の課題解決型授業をカリキュラムに取り入れ、「島留学」の受け入れを行うことで、生徒たちが、多様な人びとと交わりながら、「自分が動くことで社会がよくなる」という実感をもてるようになったといいます。島前でしかできない教育を実践することで、島外からの生徒も増加、近年は、「グローカル」に通用する人材の育成を目指し、海外との交流も行っています。島の教育が魅力的になれば、島への移住者が増えます。教育が地域創生に貢献するような好循環を生み出すことに成功したといえます。「なぜ、島根で学校の先生になろうと思ったのか」についても、お話をしていただき、それを参考に、自分が将来暮らしていきたい場所や職業を選ぶときの基準を改めて考えたという学生もいました。

【受講生の感想】
○西村講師
・超難関の司法試験に合格するために、学部生時代から熱心に法律の勉強に取り組み、計画的な勉強を持続していたと知って、努力を続けることが大切だと感じた。弁護士という仕事は、専門的な知識を生かして最先端の社会問題に取り組めたり、色々な人と関わることができたりと、とても魅力的だと思った。
・何かを学ぶことは、そのことを好きで楽しまないとダメというのは、仕事でも同じだとわかりました。講師の方の友達がゲーム好きで、ゲームクリエイターになったり、講師の方が大学で学んだことを活かして弁護士になったのも、自分の興味や経験を活かしているので、私もそういうふうにして仕事をしたいなと思いました。弁護士という職業についても少し知ることができ、自分のイメージと少し違っていました。他の職業も、きっと自分のイメージと実際では違うのだろうなと思いました。実際に働いている人の話を聞くのは大事なことだとわかりました。

○中村講師
・教育は、単に子どもたちの学力を上げるとか、進路、進学を実現するためのツールではなく、教育と地域の存続は密接に関わっていることを学びました。子どもの教育は親にとって大きな関心事なので、子どもにより良い教育を提供するために移住する人が増えればその地域は消滅してしまう、という教育と地域の存続の関係について、今回お話を聴くまでは想像したこともありませんでした。離島や山間地域は、都会と比べて設備などの面で不利になってしまう部分もありますが、「都会の水準に合わせる」のではなく「離島や山間地域にしかできないこと」を考えておられて、自分も人と比べるのではなく「自分にしかできないことは何だろう、自分の持ち味は何だろう」と考えるきっかけにもなりました。
・職業を選ぶときには、自分が置かれている様々な状況や条件で自分にとって優先したいことや、重要なことから現実的に考えることが大切であると感じた。また、東京と島根の条件を比較してどっちの方が自分に合っているかの説明から、価値観はそれぞれで自分にあった選択をする重要性について学ぶことが出来たと思う。

 

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