公開日 2026年08月04日
お知らせ種別:【授業】【研究】【地域連携】
6月3日、島根大学法文学部では、米国イェール大学の文化人類学者Louisa Lombard准教授を迎え、「人類学とアフリカ援助(Anthropology & Development in Africa)」をテーマとする公開講義を開催しました。
Lombard准教授は、中央アフリカを主なフィールドとして、紛争や平和構築、国家と社会、国際援助等について文化人類学的研究を行っています。今回は、本学の井田暁子准教授との研究交流のため松江を訪問し、開発援助や政策を文化人類学の視点からどのように捉え、研究することができるのかについて意見交換を行いました。公開講義は、こうした研究交流の一環として開催されました。
講義では、太鼓の音の高低などを使って遠くへメッセージを届ける、中央アフリカの伝統的な通信手段「トーキング・ドラム」と、その後に導入された短波ラジオによる、より限定された情報伝達の仕組みへの変化を例に、新しい技術や外部からの働きかけが、地域社会に予想されなかった変化をもたらすことが紹介されました。また、Lombard准教授自身が、大学時代にルワンダ虐殺について知ったことをきっかけに現地を訪れ、その後、中央アフリカ共和国やルワンダなどへ研究を展開してきた経験を交えながら、実際に研究対象地域を訪れ、人々の暮らしや社会の変化を捉える文化人類学の魅力について語りました。実際の講義でも、技術の変化が生活や価値観に及ぼす予測可能・不可能な影響を自分の目や耳で確かめることを、人類学の重要な役割として説明しています。
当日は、本学の学生・大学院生・教員、留学生や若手研究者、一般市民など、オンラインを含め約20名が参加しました。
学生からは、新しい技術の導入がコミュニティ内での人間関係やコミュニケーションのあり方に影響することへの気づきや、現地に赴いて多角的に社会を見ることの重要性を感じた、との感想が寄せられました。 また、海外の研究者による英語での講義を初めて経験した学生もおり、講義後にルワンダの歴史について自ら調べたり、海外で学び、調査することへの関心を深める姿も見られました。
Lombard准教授は、滞在中には松江の歴史や文化にも触れながら、島根大学の研究者と文化人類学や開発援助研究について議論を深めました。今回の訪問は、双方にとって今後の研究につながる有意義な学術交流の機会となりました。
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