キャリアプランニング第2回 開講しました!

公開日 2021年08月02日

 法文学部2年生向け専門科目「キャリアプランニング」の第2回目をオンデマンド形式で実施いたしました。今回の授業では、法文学部言語文化学科の田中一馬先生をお招きし、「働くとはどういうことなのか?」というテーマで講義を行いました。

 授業では、最初に様々な人間の活動の例が示され、その活動の中で「仕事をしている」と考えられるものは何か、そしてそう考える理由は何か、という問いかけがなされます。このような私たちの「仕事観」(世界の内に仕事を位置づける仕方)はどのようなものであるかを考えるために、授業の中では過去の人々が「仕事」をどのように位置づけていたのかを見ていきました。その中で、古代ギリシアの仕事観(ヘシオドスやアリストテレス)、近代の仕事観(プロテスタンティズムや労働価値説など)をみたうえで、「近・現代において仕事(人間の活動)の労働化が進行した」という考え方が紹介されました。

 近・現代において仕事の労働化が進む中、「仕事に貴賎なし」という考え方が広がるなどの肯定的な側面が見られると同時に、労働の疎外など必ずしも肯定的とは言えない側面も存在しています。私たちの持つ仕事観が、私たち自身にとってどのような意味を持つのか、今後の自分の人生における位置づけ方とともに、ゆっくりと考えてみても良いのではないか、と最後に投げかけられました。これから進路を決定しようとする学生たちにとって、「働くとはどういうことなのか?」を改めて考える機会になったと思います。

〔学生の感想〕 

・仕事というのは労働による対価として報酬を受け取ったり、社会や周りの環境に対して奉仕することであると考えていたが、労働と仕事という二つの概念が結びついたのは近代になってからであり、自分の考え方は貨幣経済というシステムに大きく影響を受けているのだと分かった。また、古代ギリシャでは精神的な活動や専門的技術を用いた仕事が尊いとされ、身体的な活動が卑しいとされたのも現代の頭脳労働と肉体労働の収入の差異に通ずるものがあると感じた。

・狩りや採集の時代から現代に至るまで、働くことや役割を担うことは生きるために不可欠でした。そのような「仕事」に対する考え方の変遷を知ることができました。
 仮に働かなくても金銭面の心配がない場合でも何かしらの労働はしたいと思っています。達成感や人とのつながりを得るためです。しかし、睡眠や自分のための時間を削るほどまでに働きたくないとも考えています。仕事の内容以外にも、自分の人生の中に働くことをどのように位置付けたいかを考えることはキャリアを考えることに大きくつながっていそうだと思いました。

 

 

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