「キャリアプランニング」第4回を開講しました

公開日 2022年12月02日


 法文学部2回生向け専門科目「キャリアプランニング」第4回をオンデマンド授業形式で開催いたしました。今回は経済政策を専門とする飯野公央先生をお招きして、「日本の雇用システム、何が問題か?~経済構造の変化で変わる雇用環境~」というテーマで講義を行いました。

 講義では、様々な統計資料を見ながら、テーマに関する事項の変遷から、どのようなことが読み取れるのかを考えていく形式で行われました。例えば、かつて定番であった終身雇用制度や年功賃金といった日本的雇用慣行を紹介し、こうした雇用慣行は高度成長期・モノづくり産業中心の時代に形成され、この時代においては労使ともにメリットがあったため維持されてきたことを指摘されました。しかし企業活動のグローバル化による競争の激化や、技術革新に伴って産業そのものや被雇用者に求められる能力が変化し、同時に社内人材の多様化(非正規・女性・外国人など)も促進されたこと、そして労働に関わる規制の緩和といった構造変化を受け、採用や人材育成方針の変更を含む雇用慣行が変わりつつあることを指摘されています。

 また、近年のコロナ流行下において働き方の変化がさらに促進され、テレワークの普及も手伝って、いわゆる「ジョブ型雇用」の導入が検討されつつある現状について、そのメリットとデメリット、導入のための環境整備についても分析していただき、今後就職を控えた大学生及び大学自体がどのように対応すべきか示唆に富んだお話を頂戴することができました。


〔受講生の感想〕

・働き方について改めて考えさせられました。収入面や働き方を見ることは昔からも変わっていないと思いますが、感染症のようなその時代特有の事態にも対応できる職を考えると、より難しく感じました。講義で取り上げられた「ジョブ型雇用」の制度はあまり知らず、「メンバーシップ雇用」とやり方がかなり異なっていることに驚きました。しかし、「ジョブ型雇用」にもデメリットがあるため、すべての人が「ジョブ型雇用」を検討するわけではなく、自分にあった働き方を見つけられたらいいと感じました。

・今まで漠然とジョブ型雇用が正義であると考えていたが、このデメリットを知ることでただこの雇用形態を導入するだけではなく、ジョブ型とメンバーシップ型の良い部分をなるべく併せ持った新形態を創設する必要があるのではないかと考えるに至った。

 

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