島根大学ラフカディオ・ハーン研究会の学生が宮城県の被災地で研修をしました

公開日 2023年10月19日

 今年、島根大学ラフカディオ・ハーン研究会学生部では、「小泉八雲と災害」をテーマに活動しています。その一環として、9月末に、東日本大震災の被災地である宮城県仙台市と石巻市で2泊3日の研修を実施しました。

 1日目は、「まちづくりNPOげんき宮城研究所/みちのく八雲会」代表の門間光紀氏に、津波被害の実態や当時報道されなかったことなどをお話していただきました。当時まだ小学生だった学生たちは、はじめて知る内容に驚きながら、一言も聞き漏らすまいと熱心に耳を傾けていました。【1】
 2日目は、最も被害の大きかった石巻市を門間氏と訪問しました。日和山から北上川の河口を望みながら、津波が石巻のまちをどのように襲ったかを解説していただきました。下山後、海岸方面に進み、津波と火災の被害にあった「震災遺構門脇小学校」【2・3】と震災の記憶と教訓を伝える「みやぎ東日本大震災津波伝承館」を見学しました。門脇小の一帯は7メートル近い津波に襲われ、燃えながら流れてきた家屋などが校舎に衝突し、それで全焼したといいます。そうした展示を学生たちは無言で見続けていました。その後、石巻駅方面に戻りながら、〈6枚の壁新聞〉を展示する「石巻ニューゼ」【4・5】を訪問しました。〈6枚の壁新聞〉とは、石巻日日新聞社が震災直後から手書きで6日間続けて発行した新聞です。まちが浸水し、電気が止まり、輪転機が使用できない危難にあっても、正確な情報をいま一番必要とする人たちに何とかして伝えようとする新聞社の執念を感じさせるものでした。最後に、石巻グランドホテルで、「みちのく八雲会」の方々から一人ひとりの被災体験をお聞きしながら親睦を深めました。【6】
 全体の研修のあと、学生たちは各自の調査計画にしたがって、被災地をめぐりました。調査先では、学生が島根からやって来たことを知ると、快く協力してくれた方が多かったようです。被災地を見て回るだけでなく、その土地で暮らす人たちとの交流を通じた今回の研修は、学生一人ひとりにとって特別な経験になりました。門間光紀様、みちのく八雲会の皆様、石巻日日新聞社の平井美智子様、ご協力頂いた皆様には、この場を借りて厚く御礼申し上げます。

 研修をおえた学生たちの感想は、『島根大学ラフカディオ・ハーン研究会ニューズレター』(No. 19)で報告します。今後、学生部では、震災ドキュメンタリー映画「Pray for Japan」の上映、本学附属図書館での企画展などの活動を予定しています。研究会および学生部の活動についてのお問い合わせは、宮澤(miyazawa@soc.shimane-u.ac.jp)までお願いします。
 

【1】門間氏による講座
【1】門間氏による講座
【2】石巻市震災遺構門脇小学校(正面)
【2】石巻市震災遺構門脇小学校(正面)
【3】石巻市震災遺構門脇小学校(廊下)
【3】石巻市震災遺構門脇小学校(廊下)
【4】平井氏による展示解説(石巻ニューゼ)
【4】平井氏による展示解説(石巻ニューゼ)
【5】地震発生翌日の壁新聞(石巻ニューゼ)
【5】地震発生翌日の壁新聞(石巻ニューゼ)
【6】みちのく八雲会の方の被災体験を聞く学生たち
【6】みちのく八雲会の方の被災体験を聞く学生たち

 

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