学部長便り2014年10月号 フィールドワークに行きました

公開日 2014年10月02日

 この夏、私もスマートフォンにしました。そのスマホなのですが、雲南市の池に沈んでしまいました。
 社会学実習で、学生さんを連れて雲南市の農村でフィールドワークをしました。八岐大蛇が住んでいたというあたりです。で、防火用水の池でミジンコを採ろうとして、ペットボトルを水中に突っ込んだとき、胸ポケットに入れていたスマホがするりと落ちて池の中に沈んでいったのです。
 普通の池でしたら、すぐ真下に沈んでいるはず。落としたスマホは防水仕様なのですぐに拾えば何とかなるかも知れません。私も慌てて、拾おうとしたのですが、これが普通の池ではありません。ちょうど砂防ダム改修工事で、防火用水を移設した臨時の池で、地面に掘られた穴を青いビニールシートで覆い、そこに水を溜めてあったのです。穴の斜面の角度は45度、底はビニールシートですから、スマホは沖に向かって水中を滑り落ちて行ったのです。
 防火用水とは深いものです。法文棟の玄関前にある池も、ただの池ではなく防火用水を兼ねているため実は深いのです。みなさん、落ちないように気をつけてください。
 さて、スマホを沈めてしまった私はといえば、車をとばして木次の街中のショッピングセンターで子供の魚とり用の網を買い、ズボンを捲って回収を試みたのですが不可能でした。 

写真1
     実はとても深い臨時の防火用水          蛙の向こうにスマホは消えました

 そんな個人的事件はともかく、フィールドワークでは学生さんたちが集落の一軒一軒の家にお邪魔して、地域のことやライフヒストリーについてお話しを伺うことができました。親切にしていただき、心から感謝しております。
 こうして聴き取りをした貴重なお話しは、「聞き書き文集」として集落のみなさまに配布することになっています。毎年このようなフィールドワークをしているのですが、ひとつの集落に住むひとり一人の方のお話しが集まって、その集落のアイデンティティのようなものが見えてくるように思われます。いろいろな人生を生きてきた人々がそれぞれの思いをもって暮らしている集落で、それぞれの歴史が交差しあって、その集落らしさが浮かび上がって来るのです。
 島根県の中山間地の集落は、どこも過疎高齢化が進行しています。しかし日々の暮らしは営まれ、普通の人たちがいろいろな思いを重ね合わせながら地域としての形を創っているのですね。

写真2
ここでフィールドワークをさせて頂きました

 さて、それでミジンコは採れたかというと、すごく小さいのしか採れませんでした。でも、珍しやフーセン虫が採れました。よかった、よかった。
 最後になりますが、お忙しいなか調査に協力して下さいました東自治会のみなさま、本当にありがとうございました。

写真3

フーセン虫 足をオールのように使って水中を泳ぎます。目が可愛い。

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