学部長便り2016年7月号 大教室は大学の象徴?

公開日 2016年07月08日

 

今年の梅雨は陽性で西日本,特に九州では災害をもたらすような大雨が続く一方,関東地方はカラ梅雨気味です。ダムの貯水率も下がり,水不足との報道もされています。山陰地方は幸い適度な雨といった状態で,先日授業で訪れた志津見ダムも満水状態でした。とはいっても,山陰地方ではこれからの2週間が一番心配な時期で,多くの大雨災害が梅雨末期に起きています。その意味では,災害の心配が少なくなる梅雨明け宣言が待たれるところですが,梅雨明けは暑い夏に直結しています。すでに猛暑日を観測したところもあり,松江でもここ2,3日は30℃を超えるようになってきました。これから2か月暑い日々が続きます。

 

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写真:志津見ダム

 

 3040人が一度に学ぶ教室は夏の暑さに人熱れも加わり大変でしょうね。でも,大学では教室がぎっしり埋まるということは多くありません。英語など必修の授業は教室の大きさに合わせて受講生数を調整しますので,教室が一杯ということもありますが,多くの授業は選択制で,前年の受講生数を参考に,それより少し多くの学生が聴講しても大丈夫なように教室を割り当てます。ですから,大きな教室に少しの学生ということもあります。当然ゆったりと座れます。

 

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 写真に写っている教室は定員160名の教室ですが,島根大学で一番大きな教室は定員380名の大学ホールです。私も年に1回だけこの教室で授業をします。でも,正直こんな大きな教室の授業で良いのだろうかと思ってしまいます。普通の教室なら学生一人一人の顔も分かるし,居眠りしてれば見つけて注意もできます。質問を投げかけ,答えを受けてまた質問といった双方向の授業も可能です。でも,大教室の授業はマイクを持って,パワーポイントで作成したスライドを見せながら淡々と講義するといった授業になりがちです。

 

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 テレビや映画で大学の授業風景が出てくれば,大抵は大教室の授業です。小中高校までの教室とは全く違う「大学の象徴」ということなのでしょうが,授業の効果を考えると疑問符が付きます。ちなみに,「大学 大教室」をキーワードにネット検索をしてみると,大規模大学には定員600700人の教室があることがわかりました。でも1000人超の教室は見つけられませんでした。こんな大きな教室を持っている大学があったら教えて下さい。そして,一度見学させて下さい。

 

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