学部長便り2019年10月号  卒業生から学ぶ

公開日 2019年10月30日

 

1012日、法文学部では、毎年恒例となった「同窓生と現役学生が楽しく語る会」を開催しました。
前半は、4名の卒業生による発表、後半は、それを踏まえたフロアーとのディスカッションでした。

柳澤菜月さんは、島根県職員になってまだ1年半を経たばかりといいながら、法経学科のゼミで学んだことが毎日の仕事の基礎になっていることを明快に語って下さいました。
布野優美さんは、私のゼミの卒業生です。現在の高等学校教諭の職にたどり着くまで決して平坦な道ではなかったことを紹介しながら、高校生と正面から向き合いたいという気持ちを揺らぐことなく持ち続けて努力を重ねたことを話されました。
寺本篤史さんは、大学時代に専攻した歴史学と現在従事する保険関係の仕事とは一見かけ離れているように思えるが、専門にしっかり打ち込んだことが今の自分を支えていると述べられました。
大國晴雄さんは行政の大ベテランで、島根県大田市の教育長を務め、石見銀山の世界遺産登録にあたり中心的な役割を果たされたお一人です。仕事や生き方において、大学で学んだことが基礎体力になったと述べられました。

――人の心は複雑で、心の奥底にあるものは一人一人異なる。また時間の経過の中でも変化する。それを単純に図式化してはならない。
――きちんと議論することが大切。
――人の本当の思いは、表情やしぐさの中に込められていたり、実際の会話の中で初めて現れたりする。
――感動の経験をすることが大事。仕事においても、人生においても。
――経験則と思いつきが鍵。ただしそれは、情報や事例を幅広く集め、咀嚼する中から見えてくるもの。

4人の方々は、こういったことを、自身の体験に即して語って下さいました。

この日はまた、現役の法文学部生が、市民の政治参加、高校生を対象とした聴き取り調査、方言の現地調査について、それぞれ報告しました。4人の先輩が示して下さった、人文社会科学を礎とした生き方の萌芽が明確に見て取れる発表でした。

このほど、学部棟1階に「法文学部学生・同窓生交流室」を設けました。中身についてはまだこれからですが、みなさんのアイデアを聞きながら、年に一度のこの日のみならず、恒常的に現役生と同窓生が交流できる場を作っていきたいと思います。

 

 

 

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