大学院・人文社会科学研究科について

研究科長のあいさつ

 

 人文学と社会科学  本研究科の英語名は Graduate School of Humanities and Social Sciences。人文学Humanitiesと社会科学Social Sciencesが結合した名前です。
  ヨーロッパ発の学問分野に「人文」「社会」という漢語を充てたのは近代の日本においてでしたが、どちらもなかなか「いいところを突いた」ネーミングだなと思います。
  「人文」は『周易(易経)』の「天文を観て以て時変を察し、人文を観て以て天下を化成す」に由来する正統ど真ん中の古典漢語です。「文」は「物事のあるべき筋目」という意味なので、「人文」とは「世の中を徳化していくための人としての筋目」ということ。Humanitiesの訳語として、なかなかにフィットしています。
  他方、「社会」はいくらか世俗的な近世漢語。「社」「会」どちらもそれぞれの古典的原義から離れ、「民間人たちが相互扶助のために結成した任意団体」というニュアンスで用いられるようになった語です。Societyやその派生語Associationとかなり重なる意味合いを持っているのです。
  したがって人文・社会という並びは、漢語の響きという点では木に竹を接いだようなところもあるのですが、肌合いの異なるものを組み合わせた学問領域であることを端的に表現した妙味のある言い回し、と評することもできそうです。

 ところで・・・
 Humanitesの類義語にHuman Sciencesということばがあります。これには「人文科学」という訳を当てることが一般的です。人文学か、あるいは人文科学か。いずれを用いるかはそれを科学Scienceと呼んでいいかという学問観の問題も関わり単純ではないのですが、そのことはひとまず横に置き、島根大学では人間科学部がFaculty of Human Sciencesという英語名称を用いています。Human Sciencesの訳語として「人間科学」を採用しているわけです。
 その人間科学部が設立されてから丸4年が過ぎた2021年4月、同学部と法文学部の「2階」に「人間社会科学研究科」が新設されることになりました。人文社会科学研究科もそちらに移行いたします。
  同研究科の英語名はGraduate School of Human and Social Sciences。
 「人文社会科学研究科」と「人間社会科学研究科」。日本語名も英語名もよく似ているけれど、それぞれ微妙に異なる。でもこの違いのなかに、それぞれの学問の成り立ちや特性がきれいに表現されているように思います。
 われわれの活動も、新たなステージへと進んで参ります。

人文社会科学研究科長 丸橋 充拓

大学院の理念・目的

<理念・目的>

広い視野に立って深く精緻な学識を培い,人文社会科学分野における研究能力又は高度の専門性を要する職業等に必要な能力を養うことを目的とします。

人文社会科学研究科アドミッションポリシー.pdf[PDF:113KB] 

人文社会科学研究科ディプロマポリシー.pdf[PDF:131KB]

人文社会科学研究科カリキュラムポリシー.pdf[PDF:124KB]

大学院の沿革

昭和63年 大学院法学研究科(修士課程-法学専攻)設置
平成9年 大学院法学研究科を改組し、大学院人文社会科学研究科(修士課程-法学専攻、社会システム専攻、言語文化専攻)を設置
平成16年 大学院人文社会科学研究科(修士課程-法学専攻、社会システム専攻、言語文化専攻)を改組し、修士課程-法経専攻、言語・社会文化専攻を設置。