山根 直子
山根 直子(ヤマネ ナオコ) YAMANE Naoko
- 准教授
- 言語文化学科 日本言語文化研究室
- 人間社会科学研究科
主な研究テーマ
専門は日本近現代文学、とくに大正末期から昭和初期にかけて活躍した尾崎翠という作家を研究しています。小説を〈書くこと〉と〈読むこと〉の双方に関心があります。材源研究を通してその作品が「なぜ、どのようにして書かれたのか」を明らかにする実証的な研究と、精読や文学理論の応用を通して作品が「どのように読み解けるのか」を追求する解釈論を組み合わせた研究を行っています。現在は、翠作品のポリフォニー性や祝祭性について考えています。
担当講義
日本文学史講義IV,日本文学講義IV,日本文学基礎演習IV,日本文学応用演習IV,言語文化セミナー(日本文学),特別研究(日本文学),日本文学特殊講義ⅢA,日本文学特別演習ⅢA,日本文学特殊講義ⅢB,日本文学特別演習ⅢB
作品を〈読むこと〉は、ただ楽しいだけの行為ではありません。作品の〈深い読み〉にたどり着くことで、世界の見え方ががらりと変わる瞬間があります。〈読むこと〉は、他者の思考や感情に触れ、異なる複数の視点を獲得する営みでもあります。そうした経験を重ねることで、〈当たり前〉を疑い、自分なりの視点で物事を考える力が育まれていきます。それは、私たちがより自由に、豊かに生きるための出発点になるのではないでしょうか。〈深い読み〉に至るためには、知識と技術はもちろんですが、作品ととことん向き合い、他者と作品について語り合う〈豊かな時間〉が何より必要です。大学には、その時間があります。ぜひ島根大学で〈豊かな時間〉を味わいながら、自分なりの視点を育ててみてください。>
高校生の頃は、小説家になりたいと思っていましたが、大学で文学研究の面白さに目覚め、研究者になりました。大学の演習の授業で、自分では全くたどり着けなかった〈深い読み〉に出会ったときの、世界が反転するような驚きと興奮は忘れられません。面白い解釈があってこそ、作品は輝くことを知りました。作品を生み出すのは作家ですが、それを〈名作〉にまで育て後世に残していくのは優れた読者だと思います。一緒に〈名作〉を作っていきませんか?